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この論文は、天の神々がマルクスにおろした社会主義思想の本質を述べています。
This article state essence of socialist idea which gods of heaven downed to Marx

This article is important in order to know true Marxism.
Contents of this article is come from professor Suyama Yasushi who was disciple of Morimoto Junichiro who was scholar of only one true Marxist in 20th century.
This article state essence of socialist idea which gods of heaven downed to Marx.

この論文は、真のマルクス主義を知るために重要です。
この論文の内容は、20世紀にただ一人真のマルクス主義を理解していた守本順一郎の弟子だった巣山靖司教授から学んだことを生かしています。
この論文は、天の神々がマルクスにおろした社会主義思想の本質を述べています。



自由と民主主義の思想の経済的基盤と未来

(1)「天賦人権と社会契約論」の社会的基盤

「すべての人間が一者から譲ることのできない人間としての権利が与えられている。
その譲ることのできない権利とは自由、平等、(働いて得た)財産(←イギリスのロック)、
または 自由、平等、幸福追求(←アメリカのジェファーソン)の権利である。
それらの権利を守るために政府がつくられた。
人民の権利を守らない政府なら、人民は抵抗して守る政府ととりかえる権利と義務がある。」
このようなロックやルソーやトマス・ジェファーソンに見られる自由と民主主義の発想は、
古代社会の奴隷と奴隷主の関係の中で生活していたり、
地主の差配のもとに耕作させられている農奴制の中に暮らしたりしている人々の心には響きようがありません。
非現実的な夢物語にすぎないからです。
(もちろん、教育が奪われていることもありますが)

天賦人権と社会契約論は封建支配から脱却できた独立自営農民層の存在を前提としています。
イギリスでは、ヨーマン、日本では豪農でした。
彼らは、自分の畑や農地(生産手段)を所有しており、
自分が何をいつ植え、どのような手入れを、いつ収穫するのか
経済決定権をもっていました。(自由)
生産物は自分のものです。(財産)
市場で売ることで、
身分の高い人がつくった商品も
低い人がつくった商品も同じ値段で
売買されることを体験します。(平等)

このような独立自営農民層こそ、
天賦人権と社会契約論を心から信じることができ、
民主主義を前進させる担い手の人々だったと思います。

(4)経済民主主義は、民主主義のスピリットを復活させる

ここから私たちは、未来につながるものを学びとることができます。
今日、発達した資本主義経済の中で
巨大な企業組織が展開しています。
労働の場で独立自営農民のように自己決定できませんから
民主主義のスピリットは、選挙人気投票なものに矮小化されて
しまいました。
「魂なき専門人、心情なき享楽人」というマックス・ウェーバーの有名な予見の言葉は、
このことを含んでいるのかもしれません。

企業内部は上意下達の非民主主義構造であり
大企業と中小企業の関係においても非民主主義構造があります。
中央の幹部が経済決定権をもつ非民主主義構造が
さらに一般社員の報酬格差を生み、中央と地方の格差を広げます。
そして貨幣循環が滞り、今日の苦難を生んでいます。

民主主義経済(協同組合化して合意による運営、小地域の合意を下から積み上げる計画経済)こそ、
民主主義のスピリットの担い手を広範に復活させることになります。

ベネズエラ革命では経済民主主義が追求されていますが
ソ連や中国の革命では、
経済における民主主義がまったく追求されませんでした。
資本主義も旧型社会主義も、経済決定権が中央の少数者にある点で 共通しています。
ここに旧来型社会主義が資本主義を超えることができず
資本主義への道を開くに終わっている理由の一つがあると見ています。

(5)自主独立の科学的精神の社会的土壌

民主主義経済は、自主独立の科学的精神が広がる社会的土壌を耕すと思います。
封建支配から脱却した独立自営農民の存在は、近代の科学的精神の大衆的土壌となったと考えます。
彼らが経済決定権をもっていて
自分が何をいつ植え、どのような手入れをし、いつ収穫するのかの を自由に考えたことは、それ自体が物的physicalな領域の科学の実践にほかなりません。
この科学的精神が大衆的に存在したことが、専門的自然科学、社会科学の前進の土壌になっただろうと思います。

マルクスが次のように述べているのも、このこととかかわると思います。
「労働者が自分の生産手段を私有しているということは小経営の基礎であり
小経営は、社会的生産と労働者自身の自由な個性の発達のために必要な条件である」
マルクス『資本論』2巻、大月書店、991ページ

今日の非民主主義経済社会は、「魂なき専門人」としての科学者は多数生み出しますが、大衆の間に自主独立の科学的精神を発達させません。
それはマスコミ情報に流される大衆(心情なき享楽人)を生み出します。

(6)局地市場圏の理念の継承

大塚久雄(大塚史学)は、民主主義と個人主義の市民社会を生み出したのは、
局地市場圏の独立自営農民層であると指摘していました。

遠隔地貿易の担い手は、民主主義社会の担い手ではなかった
小地域の局地市場圏で売買していた層こそ
西欧市民社会の担い手だったと論じていました。
(と覚えています)
大塚史学の実証的批判もあり、その真偽を判断する能力を私はもちませんが
大塚の視点は今日のグローバル経済を考えるにあたっても重要だと思います。

現在、巨大企業は、「民主主義と自由」を活用して、
国内外の地域再生産圏を破壊しています。
それは地域民主主義の担い手を破壊していることでもあります。

地域住民が小地域の経済計画決定に参画し、
下から合意を上に積み重ねてゆく参加型民主主義経済の探求は
民主主義のスピリットを担った独立自営農民と局地市場圏の高次復活でもあります。
(参考 経済民主主義のビジョン)
H「ホラーキー型民主主義の構想は、個と共同性の新たな地平を開く」

(7)独立自営農民の狭隘性

マルクスも、上記のように「小経営が労働者自身の自由な個性の発達のために必要」
しつつも、それは「生産および社会の自然発生的な限界としか調和しない」991ページ
と述べています。
小経営の生産者は、生活の領域が狭いですから、
どうしても狭隘な狭い世界観になってしまいます。
狭隘さは、普遍性の無い自集団中心主義にあらわれます。
独立自営農民であるヨーマン層がイギリス革命後のアイルランド侵略の担い手になりました。
日本の自由民権運動も国権論としてナショナリズムと対外侵略協力の方向に進んでゆきます。
フランスの分割地農民は、ナポレオンの周辺国侵略の勇敢な兵士となりました。
アメリカの開拓者たちは、インディアンの土地へ侵略していました。

すべての人間が平等に生命、自由、幸福追求、(または財産)の権利という
天から与えられた権利をもっているといっても
そのすべての人間は、自分の所属する集団の富裕者の男性であり、
真にすべての全人類を含むものではありませんでした。
普通選挙を求める運動の中で、
選挙権における貧富の差別や性別の差別は撤廃されてきました。
しかし、社会契約論は、ネイション(国民国家)の範囲が
政府が責任をもって人権を保護する人間の範囲です。

私たちは、地球の真にすべての人類が譲ることのできない
平等に生命、自由、幸福追求、(または財産)の権利をもつことを
認めなくてはなりません。
そして全人類の譲ることのできない権利を守るために
民主的な世界政府が作られなくてはなりません。
これが普遍的に「すべての人類」に譲ることのできない権利を
賦与するために「社会契約論」を具体化した場合の帰結です。

そうした普遍的意識の担い手は、
資本主義を克服した民主主義経済において
小経営の生産者のように主体性を回復した労働者たちです。





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