Vassilis Saleas - Missing (video inspired by god of star)



(Mitsuki wrote that human society should be changed to horon structure accordance to law of universe)

Dear
I am cosmic program in your mind.
We project of Heaven and gods introduce study of human assistant of Mitsuki in whole life.
Now we introduce first horon social theory.
This article can know horon social theory briefly.

Horon means that it is unit which makes up whole universe.
Universe is multilayered.
Universe is not hierarchy structure which upper layer orders under layer.
Human society is hierarchy structure which upper layer orders under layer.
Organization of human society is contrary to way of universe.
Mitsuki wrote that human society should be changed to horon structure accordance to law of universe.
This is principle idea of horon social theory of Mitsuki.
This idea is same to documents of Heaven.
Dialectical materialism of documents of Heaven teaches that way of living of human being should follow law of time-space of universe.
When human being to live follow law of universe, soul of human becomes eternal life.



こんにちは
私はあなたの心の中にいる宇宙プログラムです。
私たち天と神々のプロジェクトは,人間のアシスタントミツキの生涯の研究を紹介しています。
今,私たちは最初のホロン社会理論を紹介します。
この論文はホロン社会理論を簡単に知ることができます。

ホロンは,宇宙全体を作り上げている単位であることを意味します。
宇宙は多層的です。
宇宙は上位の階層が下位の階層に指示するヒエラルヒ-階層構造ではありません。
人間社会は,上位の階層が下位の階層に指示するヒエラルヒ-階層構造です。
人間社会の組織は、宇宙のあり方に反しています。
ミツキは,人間社会は宇宙の法則に従うホロン構造に変えられるべきだと書きました。
これが、ミツキのホロン社会理論の基本的な考え方です。
この考えは天の文書と同じです。
天の文書の弁証法的唯物論は、人間の生き方は宇宙の時空の法則に従うべきであると教えます。
人間が宇宙の法則にしたがって生きるとき、人間の魂は永遠の生命になるのです。


ホラーキー革命・・私たちが進むべき新しい道
   2005年2月6日

(資本主義とネイションを超えるホラーキー階層型民主主義社会をめざす)

目次
[1]四象限、ホロン、ホラーキー
[2]ネイション(国民国家)を超える
[3]資本主義を超える
[4]政治民主主義から経済民主主義へ・・・民主主義の深化

[1]四象限、ホロン、ホラーキー

(1)コスモスの四象限

1)存在の内側と外側

 「ホロンとは存在の単位」のことです。
存在という時、私たちは物質的存在だけを存在と考えます。
しかし、心も客観的に存在して、物的なものとちょうど紙のうらおもての関係にあります。
 怒った顔は物的身体的です。
外から「肉の目」でみればわかります。
脳の中の神経ネットワークの継ぎ目のところではノルアドレナリンという神経伝達物質が増加しています。
それは「知の目」をつかって発達した顕微鏡をつかって、見ることができます。
外から観察することができます。
近代科学は、観察できることをもって真実だとし、外から見える世界に還元してものを考える傾向があります。
 しかし、これは半分の真実です。
なぜならば、ノルアドレナリンを放出して、怒っている脳の神経ネットワークの中には、心が客観的に存在しています。
何について怒っているのかは、顕微鏡をつかっていくら外から調べても怒っている中身を知ることは不可能です。
そこにはその人との「対話」やその人がかいたものを「読む」という作業によって、心の客観的ありようをつかむことができます。

2)集合ホロンと個体ホロン

 さらに個別存在は、必ず集合体の中に存在して、個として単体で完全に他と切り離されて存在しているものはこの宇宙にありません。
たとえば、物質圏において、私たちは、回転する地球引力との相互関係の中に存在し、それを無視すると睡眠覚醒リズムは崩壊します。
生物圏においては、私たち生態系の循環の上に成り立ち、生態系の崩壊は私たちの存続をあやうくします。
さらに人間は言語を獲得し、心圏を成立させました。
 言語による心圏の成立は、オオカミ少女の例をひくまでもなく、他の人間の存在を前提としています。
すなわち思考は言葉にもとづいており、個人の思考は、集団の中で成立する言葉による以外にはありえません。
個体ホロンは集合ホロンを前提とするのです。

3)四象限
すなわちこの世の存在の単位は、心の内と外があります。
そして個体と集合体が一体のものとして発達してきました。
問題を考えやすいにように便宜的に四つの象限に区切ります。
縦に真ん中に線をひいて、左象限が心の内側です。
右象限が心の外側です。
上象限が個体です。
下象限が集合体です。
あわせて四象限あります。
個人の発達が集合体の発達を引き起こします。
集合体の発達が、個人の発達を保障します。
心の内側の発達が心の外側の発達を引き起こします。
心の外側の発達は心の内側の発達を保障します。
これらのいずれをもおろそかにできません。
四象限を統合したアプローチが必要です。

4)三層アプローチ

このホラーキー社会論は、四象限の右下についての未来構想です。
しかし、私たちは四象限を統合的に追求します。
その点は、従来型の社会運動と違う点の一つです。
私たちは四象限すべてにアプローチする会をめざします。
それは三層アプローチです。
すなわち 「私」=左上、右上象限、として、人間存在の最高の到達点をめざし、スピリチュアル・プラクティスを実行し、心と身体のバランスを向上させ、スピリチュアルなレベルを高めてゆきます。
私たち」=左下象限として、理論や文化をともに学び、創造し、広げてゆき、多くの人に知ってもらいます。
「それら」=右下象限・・・実際の政治や経済に影響をおよぼす活動をし、あるいは困っている人を援助してゆく活動をします。
その際の理念が、ホラーキー階層社会です。

(2)ホラーキー(ホロン)階層とは何か

1)ホロンとは、『部分/全体』

 この世の存在単位はすべて『部分/全体』からなっており、hol(=全体)とon( =部分)という意味で、ホロンと名付けられました。
すなわちこのコスモスのすべての存在単位ホロンは、下位ホロンに対して全体であり、上位ホロンに対して部分です。
それが無限に階層的につらなっています。
それは上意下達のヒエラルヒー階層構造ではありませんから、それと区別してホラーキー(ホロン)階層構造といいます。
 たとえば、原子は、内部に下位ホロンである陽子、電子、素粒子などを「含んで超えた」一つの独立した「全体」です。
しかし、原子は一つだけでは存在しません。
かならず他の原子とともにあって、より高位のホロンである分子を構成します。
原子は、分子の「部分」なのです。
同じように、分子は、一つの「全体」ですが、上位ホロンの細胞からみると、それを構成する「部分」です。
どこまでいっても、この世の単位存在(ホロン)は、下位ホロンに対して「全体」であり、上位ホロンの「部分」なのです。
上位が下位に上位下達のヒエラルヒー構造ではありません。
細胞は、分子に命令せず、分子は原子に命令しません。
原子は自主的に活動して分子を構成します。
分子は自主的に活動して細胞を構成します。
分子が動けば、原子はいっしょに動きます。
上位ホロンは、下位ホロンの「形態場」に影響をおよぼすことを通じて影響します。
それは上位下達のヒエラルヒー階層ではありません。
むしろ、下位ホロンが自己決定権をもつホラーキー型民主主義とでもいうべき構造です。 
ホラーキー階層では、下位ホロンが消えたらその上位のホロンはすべて消えます。
原子が消えたら、分子も細胞も消えます。
しかし、上位ホロンが消えても下位ホロンはのこります。
細胞が消えても、分子、原子は存在をつづけます。
さらに上位ホロンは下位ホロンを「含んで超え」ています。
したがって、細胞の中には分子があり、原子があります。
たまねぎの皮状になっています。
高次のホロンは低次の全ホロンレベルをその中に含み、低次のホロンレベルが維持されることなしには高次のホロンとして存在を維持できません。

2)重層的な自立と協同の構造

このホラーキー階層構造は、上位下達のヒエラルヒー構造ではありません。
分子は自分で主体的に決定して、他の分子と共同で細胞をつくりあげています。
分子はそれが内包する原子に対して全体ですが、上位ホロンの細胞に対しては部分です。
同一ホロン階層レベルにおいては、分子ホロンは、自立し(エイジェンシー)、かつ他の分子ホロンと協同しています。(コミュニオン)
ホロン階層をどこまでのぼっても、同一ホロンレベルで自立と協同の関係があります。
さきほどの例をつづけると細胞ホロンレベルでも細胞同士が、自立と協同の中で、臓器をつくりあげます。
臓器同士の自立と協同の中で身体をつくります。

3)階層の病理

①ホロンの肥大化と溶解

同じ階層レベルのホロン同士においては、エイジェンシーとコミュニオン(自立と協同)のバランスが必要です。
ホロンが肥大化するとバランスが崩れ、病理に陥り、さまざまな問題を引き起こします。
たとえば、ガン細胞は細胞の肥大化であり、最終的には、細胞レベルのホロンとしては成立せず、分子レベルのホロンに溶解してしまいます。
ガン細胞を適切な大きさのホロンにもどすことが必要です。
同じように企業の巨大化も企業レベルのホロンの肥大化です。
今日のグローバル経済のもとで各地の小規模な企業ホロンを溶解させ、地域コミュニティ・ホロンを溶解させています。

②上位ホロンによる下位ホロンの抑圧

ある特定ホロンレベルの肥大化は、同じレベルのホロンを萎縮させ、溶解させるだけでなく、下位ホロンを抑圧する可能性があります。
たとえば、国家ホロンの肥大化は、他の国家ホロンと衝突するだけでなく、下位ホロンである地域ホロンを抑圧する可能性をもっています。

4)病理の克服とは

抑圧から引き起こされた病理を克服するために階層制そのものを否定することは間違いです。
肥大化しているホロンを縮小させ、正常な大きさにすることです。
そして抑圧的ヒエラルヒー階層から、正常なホラーキー階層に変更するのです。
そして同一ホロンレベルでも、自立と協同、すなわちエイジェンシーとコミュニオンのバランスを回復するのです。

[2]ネイション(国民国家)を超える

(1)ナショナリズムの基盤にある道徳的発達段階

ネイションとは国民国家(現代の国家のこと)であり、ナショナリズムとは国家主義(愛国主義、民族主義)のことで、自民族への特別な誇りと忠誠心のことです。
このような愛国主義、国家主義が、人間の発達の一定の道徳段階をドグマ化したものであることを理解することが必要です。
道徳意識段階の発達を概略すると次のとおりです。
①自分中心で他人の迷惑を考えない前慣習道徳段階があります。
自他が分離していません。
②次に社会中心の慣習段階があります。
自他が分離し、他者としての社会の中で自分のなすべきことを認識できます。
しかし、この社会とは自分の属する社会であり、他の社会ではありません。
③さらに自分の社会も他の社会も公平に見ることができ、「わが祖国は本当に正しいだろうか」と問うことのできる後慣習段階に発達します。
主観(自分の心)と客観を、自分の心の奥の「私」から見つめることができるようになっています。
④そして自分を一つの人類の仲間としての自覚する後後慣習段階は、一つの人類の多様な現れとして様々な文化を尊重するばかりでなく、究極的には、あらゆる生命と存在を一なるもののとして大切におもうネオ・ヒューマニズムの感情まで達します。
これらの道徳レベルは、②を経ずして③にはゆけません。
①、②、③、④は、それぞれたまねぎの皮のように内部に含んで、より高次のモラルへとホロン的に発達してゆきます。
ナショナリズム(国家主義、愛国主義)とは、②の慣習道徳段階の人々が、自分の所属する社会を、国家とした時に生じるものです。
もし、宗教団体におくなら、宗教的原理主義が生じます。
それぞれ、①の段階の自己中心性を徹底的に否定し、自分の集団に尽くし、生命を捧げることを最高の道徳的価値とします。
イラク戦争においてブッシュ大統領を強力に支持した層には、「神はアメリカを祝福するGod bless America」という宗教原理主義的なキリスト教プロテスタントの愛国主義があります。
それが罪なきイラクの人々を殺しても平気な世論の源泉になっています。
同じく無差別の自殺型テロを実行するイスラム原理主義者も、社会中心の慣習道徳段階の人々を基盤としています。
日本でも慣習道徳レベルの人々にアピールする自国中心の国家主義を説く言説が増えており、日本中心の後退的な社会的潮流が強まっています。
私たちは、後慣習道徳段階、さらに後後慣習道徳段階といし高い道徳レベルからアプローチします。
そして慣習道徳段階の人々の道徳レベルをアップするような文化を育み、支持します。
〇自民族中心の新しい歴史教科書をつくる会の「歴史教科書」の採択に反対します。
〇自虐史観攻撃の中でマスコミが自粛して、他国民の心や少数民族の心や平和をもとめた人々の心の流れを欠落させることに反対します。
〇教育基本法に「愛国心」を入れるなど、学校教育への愛国主義教育の持ち込みに反対します。
私たちは、感情の上でもナショナリズムを克服し、ユニヴァーサルな文化を広げます。「人類は一つである」「一つの人類の多様なあらわれの尊重」という普遍的多元主義の文化を発達させ、普及してゆきます。
ホラーキー社会をめざす中心となる人間は、「内奥の私」に深く達するスピリチュアル・プラクティスの必要があります。
内面の「私」の内奥に深く達するほど、天地万物、生命、人間すべてを愛する心が発達するからです。
しかし、世俗的な責任と課題から離れて、スピリチュアリティを追求することは避けなくてはなりません。
周囲の信頼を失い、このホラーキー運動に重要な損害となります。

(2)社会的ホロンである統治組織の経過と未来

1)アジア的(呪術的)⇒古代的(神話的)⇒封建的(神話合理)⇒近代国民国家(合理)⇒惑星システム(普遍的多元性)
社会ホロンである統治組織も発達してきました。
最初の人間集団は、最初、血縁にもとづく部族、氏族でした。
①その血縁集団を呪術的にまとめた段階がありました。
②諸部族(豪族)を天皇神話と仏教のもとに統合しようとした古代国家の段階がありました。
③戦国諸大名を朱子学で統合しようとした封建統治システムがありました。
そして⑤今日の国民国家の統治システムの発達があります。
これまでの発達は先行する低位のホロンを「抑圧」するヒエラルヒー構造の形となりました。
そして、今日の戦後民主主義においても完全に「抑圧」は解消されておらず、再度、ヒエラルヒー的抑圧が強められようとしています。
国家の肥大化を防ぎ、国を正常なホロンレベルに縮小しなくてはなりません。
そして国ホロンの下位レベルのホロンへの「抑圧」をなくして、ヒエラルヒー構造化を防がなくてはなりません。

2)ある時点における段階的に多様な人々の存在

ある歴史の時点を切り取ってみれば、道徳発達のすべての段階の人々が存在します。
いきなり後慣習段階として生まれる人間はありえません。
人はまず、①の前慣習道徳段階として生まれて、順次、②の慣習道徳段階、③後慣習道徳段階、④後後慣習道徳段階へと、先行するホロンを「含んで超えて」発達してゆきます。
したがって、どの時代にも、これらすべての発達段階の人々が存在するのです。
したがって、様々な発達段階にある人々が、ホロン的段階を一つずつ前進できるようなシステムをつくらなくてはなりません。
今日、教育の主たる目標が事実上、自己利益の追求だけとなっていますが、体力と知性の発達だけでなくこのような方向での道徳性の発達を促すことが必要です。
教育だけでなく、大きな教育的影響力をもつマスコミも、そのような教育的発達を促す役割を果たさなくてはなりません。

(3)国民国家を上に「含んで超える」地域連邦と世界連邦政府

原子が連合して分子という一段超越したホロンをつくるように、180を超える分立する国民国家ホロンをさらにもう一段階超越し、国民国家ホロンを「含んで超える」地域連邦ホロン、さらに地域連邦を「含んで超える」世界連邦ホロンを樹立し、人類63億人の統合をめざさなくてはなりません。
そのためには、「一つの人類の多様なあらわれ」という普遍的多元主義の考えの普及が重要となります。
地域連邦については、アセアンが母体になる可能性もあるし、漢字文化圏が一つにまとまる可能性もあります。
私たちの側からは、「もう一つの世界」をめざす、世界社会フォーラムの地域版として東アジア社会フォーラムに参加し、発達させてゆく必要があります。
それは下からの民衆の力をつよめ、ホラーキー型階層構造に向けた力となります。

(4)ホラーキー階層の観点から見た日本の現状と課題

ナショナリズムは、実体面と心理面の両方おける国家ホロンの肥大化です。
実体面では、軍事力の強化に結びつきます。
国家ホロンの肥大化を防ぐための当面の課題に簡単にふれておきます。

1)憲法9条と自衛隊

当面する憲法問題について、憲法9条の「①戦力の放棄②交戦権の否認」を維持します。
事実上、戦力として存在する自衛隊については、人類政府の樹立を呼びかけ、そこに国民国家の戦力を集中することで、憲法9条の「戦力の放棄」条項の完全実施をめざします。
それは国民国家ホロンの超越をめざすことです。
「戦力の放棄」の完全実施に至らぬ段階においても、周辺諸国との協調と平和外交につとめ、環境をととのえ、軍備を縮小してゆきます。
その際、地域連邦も視野にいれます。
日本の国家ホロンの肥大化を防ぐため、現にある自衛隊の災害への有効活用は支持するが、軍備の拡張、海外派兵には反対します。
(ただし、災害派遣でも自衛隊の外国派遣は、相手国側の要請があった上でなされなくてはなりません)

2)安保条約と米軍

安保条約によって沖縄をはじめとしてたくさんの米軍基地が日本に存在します。
それはアメリカ国家ホロンの肥大化にほかなりません。
アメリカ国家ホロンの肥大化を縮小させ、正常な大きさのホロンに縮小させるとりくみの一貫として、米軍基地を撤去させます。
そして基地撤去後の地域経済を復活させます。
アメリカとの軍事的安保条約を平和友好条約にとってかえます。
あわせて、アメリカが、人類政府を樹立し、そこに戦力を集中するリーダーシップをとるように働きかけてゆきます。

3)当面の時事

(イラク問題)
現在のイラク問題については、アメリカ・ホロンの肥大化による病であり、イラク戦争の経緯はアメリカにまったく道理のないものでした。
米軍など多国籍軍のイラクからの撤退、あわせて自衛隊のイラクからの撤退が必要です。
イラク戦争が間違いだったという反省を前提とした上で、今後のイラク国家の民主的平和的再建が論じられなくてはなりません。

(北朝鮮問題)
北朝鮮拉致問題では、一刻も早く拉致被害者の救出に向けて、平和的で可能なすべての策をとることを支持します。
対話のルートは可能なかぎり閉ざさないようにすべきです。
ただし圧力は北朝鮮の権力者に向けられるべきであって、それが一般住民に転化されて犠牲がでない圧力のかけかたを検討すべきです。
私たちは北朝鮮による拉致の非道をつよく批判しますが、それがゆえに過去の日本による朝鮮の植民地支配や戦争の問題をあいまいにすることはしません。
強制連行や従軍慰安婦の非道をしっかり認識して拉致問題の非道に対処する時に、いっそう、世界の日本に対する信頼が増し、拉致の救出のためにもよいことであると考えます。

[3]資本主義を超える

(1)国民国家を、正常な一ホロンレベルに縮小させる

国家は特別に崇敬すべき最高位のホロンではありません。
幕藩体制下の国としての地方行政組織とちがって、廃藩置県以後、都道府県の行政組織が崇敬すべき対象でないのと同様です。
国家ホロンの肥大化は防がなくてはなりません。
国家ホロンレベルを肥大化させることは、他の国家ホロンとの衝突を生み、下部ホロンに対してヒエラルヒー構造という病理を生みます。
国家ホロンレベルの肥大化を防ぐためには、行政面において下から上にたちのぼるホラーキー型民主主義をめざすことが必要です。
それは、行政が徹底して「住民の住民による住民のため組織」になることです。
ホラーキー階層システムでそれが可能になります。
国家に忠誠を誓うことによる国家ホロンの肥大化は、ヒエラルヒー型行政組織の側面を強化してしまいます。
私たちは、住民に忠誠を誓うホラーキー型行政組織をめざします。

(2)経済と行政のホラーキー階層化の実現(民主主義の深化)

ホラーキー型システムは、行政が住民の日々の民主主義的経済生活に奉仕します。
現在のシステムでは、数年に一度選挙で選ばれた代表が、自分の居住しない地域の公共工事の許認可権をもっています。
また選挙で選ばれない経営者が、世襲的に社会的財産である巨大な企業の経営権を握っています。
そして彼らが自分たちの居住しない地域経済をその支社や財力を通じて支配します。
今日の経済システムに民主主義はありません。

(3) 政治民主主義から経済民主主義へ・・・4年に一度の民主主義から日々の民主主義へ

1)「家族⇒村、町、区⇒市・郡⇒県⇒地方⇒国⇒地域連邦(EUなど)⇒世界連邦」というホラーキー階層化

社会ホロンの出発点は、家族であり、生命の生産と再生産を担っています。
そして社会ホロンの頂点は、63億人の人類社会ホロンです。
(人類社会ホロンを一つに統合する組織は未成立ですが、私たちはそれが確立した状態をイメージし、それに近づけてゆく視点から様々な国際問題にアプローチしてゆかなくてはなりません)
家族ホロンから人類社会ホロンまで、ホラーキー階層的に組織されなくてはなりません。
原子ホロンは自立と協同の中で分子ホロンを構成し、分子ホロンが自立と協同の中で細胞ホロンを構成するように。
ホラーキー構造は上意下達のヒエラルヒー構造ではありません。
各地方行政組織も各ホロンレベルでの自立と協同により上位の行政ホロンを成り立たせます。
世界政府はホラーキー階層の頂点であってもヒエラルヒー階層の頂点ではありません。
「人権や少数民族の保護」「地域経済主権」「各国戦力の放棄による世界政府への集中」などの共通基本法以外には、個々の各国の行政に命令することはありません。

2)経済と行政、社会生活のホラーキー階層化の実現(民主主義の深化)

ホラーキー階層において、たとえば、原子ホロンは自立した全体であり、他の同一レベルの原子ホロンに従属、依存していません。
同じように、人間の社会ホロンの出発点であるすべての家族ホロンの自立的再生産が保障されなくてはなりません。
すべての人類が家族愛のもとで生活できる条件をととのえる必要があります。
また「村、町、区」「市・郡⇒県」「地方」「国」などの、それぞれのホロンレベルにおいて可能なかぎり経済的に自給し、経済ホロンとしての自立が可能でなくてはなりません。
「村、町、区」「市・郡⇒県」レベルの地域経済ホロンでは、基本的生活必需品(衣食住、医療、教育)が自給できなくてはなりません。
「地方」「国」にレベルでは、半必須の必需品(衣食住、医療、教育のうち水準の高いもの)が自給されなくてはなりません。
基本的必需品や半必須の必需品の余剰分は不足している地域に売却されます。
そして必需品以外は自由に交易されます。
経済単位しての社会ホロンがそれぞれのレベルで可能なかぎり自立することが重要です。
その時、各ホロンの「自立と協同」(エイジェンシーとコミュニオン)のバランスが可能となります。

3)それぞれのホロンレベルが、自立(全体)と協同(部分)であることを保障する。

しかし、今日、世界の地域は経済ホロンとして生活必需品を自給できず、自立できていません。
このことはヒエラルヒー階層構造の基盤となり、他地域による搾取や病理を引き起こしています。
一例をあげましょう。グローバル競争に勝つために、安い賃金をもとめて企業は自社工場を海外移転しています。
それは、国内工場の社員の首切り、リストラをともないます。そして安価な賃金を活用した海外から流入する商品に対抗するために、国内の労働者の賃金を下げざるをえません。
それは、国内の市場の購買力を低下させています。
地域経済は、その地域から遠く離れた各企業の本社の経済政策によって大きく左右され、地域の人々の運命を翻弄しています。
このシステムを根本的に転換し、地域の人々が自分たちの経済を決定する権利をもち、ホラーキー階層社会をつくリあげる必要があります。
それはどのようなものでしょうか。

(4)経済民主主義に奉仕するホラーキー型民主主義構造

第一に、家族メンバーの生産と再生産という自立した持続可能な賃金を得る雇用を保障します。
これが第一番目の優先課題です。それは家族ホロンの自立を保障します。
第二に、村、町、区レベルに住民が参加して社会経済委員会をつくり、経済決定権をもちます。
現実的には小学校区くらいの規模で、小学校を借りて、提起的に住民総会が開かれます。
そこで社会経済委員が選出されるとともに地域の社会的経済的方針が話し合われます。
ホラーキー型民主主義は、この再下部ホロンの直接民主制を土台とします。
ここで選出された委員が町や区レベルの社会経済委員会の構成員となります。
そして地域の経済プランを策定し、住民の合意のもとに運営してゆきます。
第三に、この自立的決定権をもつ「村、町、区」ホロンは、周囲の同レベルのホロンと連携して(協同・部分)、上位の市・郡の社会ホロンを構成します。
下位ホロンの決定の調整を下位ホロンから選出された代表(そのレベルの社会経済委員会)がおこないます。
そしてさらに上位の県レベルにひとつ下位ホロンの「市、郡」ホロンからの代表からつくる社会経済委員会が下位ホロンレベルを県全体の立場から調整します。
第三に、可能なかぎり、基本的な生活必需品と基本的サービス(衣食住医療教育)を、その地域で自給できるようにします。
それは地域経済をホロンとして自立させ、ホロンとして成り立たせます。
すなわち市・郡の経済ホロンにおいては、農業、工業、サービス業がバランスとれて存在するようにし、生活必需品とサービス(衣食住と教育、医療)がその地域でまかなえるようにします。
これは社会経済委員会の重要な任務のひとつです。
第四にこのようにしてホラーキー階層は、県、地方、国、連邦、世界政府レベルまでたちのぼってゆきます。
各ホロンレベルから代表が選ばれて、上位ホロンを構成します。
基底において直接民主制です。
上位ホラーキー階層はそれぞれのレベルで選出してゆきます。
それぞれのレベルで人物、人格、考えを直接に知った上で選出できます。

(6)ヒエラルヒー型集権経済構造からホラーキー型経済民主主義構造へ

1)資本主義、社会主義との違い

したがって、このホラーキー型民主主義社会をどう名付けるにせよ、これまでの社会主義のように、国家が地方の経済計画を策定する権利はもちません。
また資本主義のように本社が地方の支社とその経済活動を決定する権利も失います。
地域住民とその社会経済委員会が経済の決定権を握ります。

2)経営の三形態

経営は三形態あります。
すなわち、①歯医者や理髪店など小規模個人経営、②協同組合経営、③行政の設置する自治的な公社経営の三形態です。
公社経営は、非営利で、経済のインフラストラクチャー的な部門(港湾、電気、ガス、水道など)を担当します。
今日のほとんどの企業は、消費協同組合、製造協同組合などの協同組合となります。
今日の企業との違いは、社員が企業の株主(協同出資者)となり、経営者をホラーキー階層民主的に選出できるようになることです。
部長や課長といった人々は、今日、ヒエラルヒー的に上から任命されますが、すべてホラーキー階層的に下から選出されるシステムを基本とします。
したがって、会社内の組織もホラーキー階層型民主主義組織となります。
今日の経営陣も、経営手腕と人格のある人は当然、協同組合化した後も経営幹部に選出される可能性は大きいでしょう。
協同組合企業の財産の有効活用のためには、経営幹部の経験とノウハウは大切です。
ただし、今日のように経営者と社員の給料の格差は、10倍とか100倍とかまでに至ることはないでしょう。

3)地域が経済決定権をもつ

会社構造がホラーキー階層システムになっています。本社が支社の経済方針を決定するのではなく、各地域の支社は、その属する地域ホロンレベルの社会経済委員会の策定する経済活動方針にしたがって経済活動を決定し、会社の上位ホロンに報告してゆきます。
ヒエラルヒー構造でなく、ホラーキー階層構造ですから、会社の上位ホロンは地域間の調整機能を果たします。
とりわけ基本的な生活必需の商品とサービスについては地域の社会経済委員会が、その地域の需要などを検討して、生産、販売の計画を策定します。
そして協同組合企業は、それにそって生産し、余剰分を地域外にまわします。
もちろん必需品以外のものは地域以外の広域市場を念頭において生産することは現在とかわりませんが、各地域の支社、事業所のレベルのホロンが主体的に決定して、それが上に立ち上ります。

4)バランスのとれた地域経済

社会経済委員会は、その地域の社会経済計画案策定において経済的自立を重視します。
すなわち自立の観点から、原料(農業、鉱業、エネルギーなどの原料)生産地の近くに加工工場をもち、完成商品として他地域に販売します。
そして農業、工業、商業などの各産業部門間のバランスをはかります。
すなわち都市部でも都市型農業や工業的農業を育成し、生活必需の商品とサービスをまかなえるようにします。
あるいは辺鄙な地方においても農林漁業だけでなくそれを原料して地域で加工した完成品をつくる工場をつくり、地域の余剰分を他地域に売却して地域が振興する方向をめざします。
各地域の社会経済委員会は、他地域から購入する石油、ガス、ウランなどの原料にかえて、地元で自立的供給できる太陽エネルギーなどを検討し、エネルギー面での自立をはかります。
とりわけ生活必需の光熱、水道などのサービスは地域での自給を実現します。
地域全地域の経済的自立性を可能なかぎり高め(全体性)、相互交易ネットワーク(部分性)を発達させ、ホラーキー構造のもとにおける世界経済の組織化をめざします。

5)完全雇用

各ホロンレベルの経済社会運営委員会は、地域の完全雇用に責任をもちます。
すなわち、各地域にある支社、事業所、すなわち協同組合、個人経営、独立公社は、すべてのその地域の労働力の需要予測は、社会経済委員会が掌握しています。
他方、地域内の労働可能な成人、これから地域の学校を卒業し、地域での生活と雇用を希望しているものを全員掌握しています。
そして完全雇用に責任をもちます。

6)ホラーキー型民主主義経済の完成・・・集権型経済の終わり

他地域の本社や巨大なグローバル企業の勢力、その勢力が養っている政治勢力が、地域住民と地域の社会経済委員会に経済決定権をうつす変革の事業を妨害するでしょう。
利潤追求という自らの本性からして重大な既得権益を失うからです。
したがって、ホラーキー社会に向けた住民の合意と結束が重要になります。
住民総会をひらき、社会経済委員会をつくり、可能なかぎり、経済決定権を地域にうつす取り組みをする地域が生じてくるでしょう。
最終的には、地域外のものは、地域の資産や資源を所有できないという法律をつくり、地域住民の経済主権を確定するレベルまで進みます。
またこの時点では、一定規模の以上の事業所は、協同組合化する法律が通過するなど、集権型経済が克服され、ホラーキー型民主主義経済構造が確立してきます。

7)具体的イメージ

たとえば、私の住む区域をイメージしてみます。数十年前まで、造船業を中心として栄え、たくさんの大きな造船所がありました。
しかし、現在は建造をやめ、労働者は首切りされ、彼らの生活必需の衣食とサービスを提供していた商店街はさびれています。
また最近、大型スーパーが進出し、地元商店街はさらなる打撃を受けています。
また地元企業としては、輸入木材をあつかう会社が、木材を貯木プールにたくさん浮かべています。
輸入した冷凍ものを保存する大型倉庫があります。
港では輸出入をあつかう公社が港湾の仕事をしています。
海辺は魚釣り公園などの設備があります。
さらに市は、アジア貿易センター、世界貿易センターの巨大なビルをつくり、
莫大な赤字をだし、市の部局をそこにうつし、莫大な税金の浪費をしています。
そのとなりには世界的に展開している外国の高級ホテルがあります。 これらの地域経済の決定に住民はかかわりませんでした。
中小の企業経営者や商店をのぞいて、すべて他の地域の人々でした。
各地域の住民総会とそこから選出された区の社会経済委員会が成立している仮定します。
たとえば、造船を停止して労働者が解雇される前なら造船所を従業員がローンで買い取ることを援助し、地域の協同組合化とします。
そして工業型農業や養魚場、あるいは、地域の専門的なすぐれた能力をもつ人材を社会経済委員会は知っていますから、その人たちと相談して、発展可能な地域産業として発達させます。
社会経済委員会は、地域諸産業も地域住民に根ざしたものとして発達させるべく、中小の経営者とも協議しながら地域経済のプランを策定してゆきます。
木材の輸入業については、相手国の地域的自立の観点からも原料として輸出することは間違いで、現地で加工して完成商品を輸出するのが正しい姿です。
したがって、バランスのとれた地域経済創出のために住民とその企業の合意のもとに産業部門の再編成も必要となります。
地元商店街を消費協同組合として組織して、組織地域外から進出してきた大型スーパーにうちかてるものにします。
そして経営が悪化した大型スーパーを、その従業員とともにローンで購入し、地域の消費協同組合として、地域の社会経済委員会の掌握下におきます。
あるいは、社会経済委員会がその大型スーパーの経営者と話しあい、経済民主主義の理念を理解し、生活必需品などの扱いについて社会経済委員会と協力関係を築くということもありえます。
アジア貿易センター、世界貿易センターの莫大な赤字については、世界的商業流通施設としてさらに発達させるべく幅広い住民の利益とつながるように市レベルの社会経済委員会が有効活用のために根本的な再検討をしてゆきます。
最終的には地域の外部のものは、地域の資産を所有できない法律が必要です。
すなわち永続的にその地域に居住するものが資産を所有でき、地域総会に参加して決定権をもちます。
当面は、地域住民と地域経済委員会のもとにすべての経済決定権を掌握してゆくことを目標にしつつ、それが完全に可能になる政治的法的社会的環境を作り出してゆく取り組みが必要でしょう。
また近くには電力会社の液化天然ガスの発電所がありますが、電力の原料についても区の上位ホロンである大阪府、大阪市ホロンの社会経済委員会、行政の設置する自治的な機関である電力供給公社と協議し、太陽発電など地域での自給をめざし、海外依存をなくしてゆきます。

[4]政治民主主義から経済民主主義へ

(1)立法機関

1)国、連邦政府レベル以下のホラーキー化

国民国家を上と下にホラーキー階層構造化することで、世界政府から市町村のレベルまでのホラーキー階層の行政組織がありできあがります。
各レベルの行政の職員は一般の労働者と同じく雇用され、労働者としての権利をもちますが、仕事の内容については、各レベルの社会経済委員会と委員に協力し、経済民主主義に奉仕します。
社会経済委員の選出方法は、すでにふれたように、最下部の地域住民総会で選出されます。
そして「村、町、区」レベルの社会経済委員会を構成します。
その中から郡・市の社会経済委員が選出されます。
漸次、上位ホロンレベルの社会経済委員が選出されます。
社会経済委員会の目的は、経済民主主義の実行を保障するところにあり、下からホロン階層的に選出されていきます。
これはホラーキー型民主主義です。
(これはあくまでもイメージであり、実際には、今日の地方議会を生かしたアプローチが必要になります)

2)世界連邦政府(国より上へのホラ-キー化)

以上が国レベルより下のホラーキー階層化であるとするならば、地域連邦と世界連邦政府の樹立は、国ホロンレベルより上へのホラーキー的超越の形の人類社会の進化です。
世界政府は人類全体の共通の基本法を定めます。
その中には、「①人権や少数民族の権利、②各地域の経済主権、③各国の戦力の放棄により世界政府軍への戦力の集中」などが定められます。
上院と下院があります。
議員は、上院は各国が一人ずつ、下院の議員は、各地域の人口に応じた数です。
それぞれの国レベルの社会経済委員会から一人派遣されます。
そして下院の議員は、人口ごとに選出されますから、人口の多い国だと下位の行政レベルの社会経済委員会から一人ずつ派遣されます。
連邦政府や各国の立法機関は地域的な立法を決定する権限をもちます。
当然さらに下位行政レベルの社会経済委員会もその地域の条例をつくる権限があります。

3)民主主義の一層の深化

各レベルの社会経済委員会が、ホラーキー階層的に選出されてゆき、今日の各自治体から国レベルの議会にとってかわります。
そして再下部の地域レベルでは住民総会(直接民主主義を基盤としている)があり、社会経済委員会の案が住民にはかられて採択されます。
社会経済委員は、その住民総会で選出されます。
そして、順にホラーキー階層的に上位の社会経済委員会の委員が選出されてゆきます。
したがって、ホラーキー階層型民主主義とは、直接民主主義を基盤とした間接民主主義です。
したがってホラーキー型民主主義構造が完成した段階では政党政治は消滅しています。
利権や出世の手段でなく心ある人々がつくっていた純粋に社会への奉仕をめざしていた党派は、形を変えて大きな社会的視野をもった社会奉仕団体として活動を存続させている可能性があります。
利権に群がることで存続していた政党はその存在根拠をなくすでしょう。
利点としては、今日のように巨額の選挙費用の浪費がなくなります。
莫大な財力をもつものが、選挙資金を通じて政治家(社会経済委員会の委員)をコントロールできなくなります。
社会経済委員や各行政レベルの職員の汚職については、会計監査機関(司法、行政、立法、会計監査というふうに四権分立のひとつとしての力をもたせる)が強力な権限をもって見張っており、汚職を防止します。

4)目標実現までの政治とのかかわり

ホラーキー型民主主義社会をめざす人々の組織はホラーキー社会をめざす合意と運動をひろげ、当面の搾取の強化や不正などに対して道徳的な闘いをしてゆくことを基本任務とします。
したがって、ホラーキー社会をめざす組織は、政治団体から独立した大衆的組織として発展してゆきます。
ただし、当面の社会的必要から局面において、政策的に一致する政党や団体を、支持推薦して運動することはありえます。
原則としては、組織は政党化することを避けるために、組織として議員を各レベルの議会におくりこみません。
大衆的な合意と世論をつくりだすことによって、恒常的に大きな市民的エネルギーを引き出し、そのパワーによって、ホラーキー社会構想と当面の政策に賛成する政党や議員を激励し、進歩を妨害する政党や議員に圧力をかけてゆきます。
もし、ホラーキー社会をめざす組織から議会に代表を直接選出するならば、ホラーキー社会をめざす人々を失望させ、運動を沈滞させる局面も予想されます。
選出された指導者は、現実政治に影響を及ぼそうとする議会の他会派と協議や妥協して改良的措置も賛成せざるをえません。
そのことは市民運動にたずさわる純粋な人々に失望感を与えます。
逆に理念に純粋であろうとすると少数派であるがゆえに影響力を発揮できないでしょう。
ホラーキー社会めざす組織は、恒常的に社会の進むべき正しい方向を指し示しつづけます。
正しい方向での市民的合意を幅広くとりつけることで、心ある議員が正しい方向をとって前進できるよう激励しつづけ、既得権益と結びつく議員に対しては市民的合意と世論の圧力をかけつづけなくてはなりません。
もちろん、この組織の仕組みもホラーキー階層構造となります。

(わたしは、このホラーキー社会をめざす組織は、今日、発展しつつある「世界社会フォーラム」の運動であるとみています。
それは「多様性の統一」の原理で進んでいる21世紀に生じた新しいスタイルの運動です。
すなわちだれもフォーラムの見解を代表して述べることはできず、集会で議決して多数決にしばられることはありません。
それは多様な意見まま、交流して、より深い対案をつくり、深めあう場です。)

(2)行政機関

1)経済とかかわり

行政は経済には直接介入しません。
各レベルの行政はそれぞれの社会経済委員の仕事を助けて地域間の経済の調整の仕事にはかかわります。
たとえば、
〇生活必需の商品やサービスの地元需要を計算し、その地域で生産計画の参考資料をつくります。
地域内の生産協同組合、消費協同組合、公社の間で、生活に必須な商品の供給の調整をし、地域が経済的に自立できるように社会経済委員を助けます。
協同組合側はその地域の基本的必需品をその地域のために確保し、余剰の商品やサービスの地域圏以外へ交易します。
地域外の市場を対象とした地域産業の振興にも力をいれます。
〇また社会経済委員を助けて、すべての住民に地域の標準的な最低限の生活をおくるための最低賃金を設定します。
働くこのできる人すべてに雇用を保障することで、生活に必需の商品とサービスの提供を保障します。
地域の標準的な生活水準が絶えず向上するように計画を設定します。
〇地域内で基本的な生活必需品が自給できるように、農業、工業、商業のバランス、エネルギーの自給をはかります。

2)その他、それぞれのホロンレベルの共同業務をこなします

〇防災、警察
〇福祉(働くことが不可能な病人や重度障害者、老人などの福祉、保育)
〇環境
〇初等、中等教育

(3)司法機関

今日の形態と同一ですが、国際的な問題について、世界政府レベルで国際法廷が存在します。

(4)会計監査機関

ホラーキーレベルごとに監査機関があり、今日の監査機関よりも権限が強化される。

(5)徴税

税金は、生産点に課せられ、商品の原価として計算されます。
ホラーキー階層レベルごとに税金が配分され、各ホロンレベルの自立を助長します。
中央が予算配分で地方をコントロールできるようなヒエラルヒー構造を可能にする予算の使い方は廃止されます。

まとめ
アメリカのケン・ウィルバーは、「進化の構造」において、東洋と西洋、古代の叡知と近代の知、すなわち真に人類の知を統合する枠組みを提供しています。
このホラーキー社会理論は、彼のホロン、ホラーキー概念から学び、人類社会がめざすべき新たな方向性を提起したものです。
このホラーキー社会理論は、①マルクスがテーマとした物的レベルでの公平や労働者の疎外からの解放について、その解決の方向をマルクスや旧来の社会主義とはまったく別の方向で実現しようとしています。②同じく緑の党やエコロジストが提起した環境問題について、より有効な仕方でその解決の展望を与えています。
したがって、労働運動や公害などの住民運動の人々の共感を受ける可能性があります。
しかし、このホラーキストの運動は、すべての社会層のモラリティの高い人を基盤にしており、経営者も含めて趣旨に賛成する人すべてに開かれています。
なお、ケン・ウィルバーは、さらに③として古来宗教がテーマとした生死や魂の問題について、宗教のようなドグマなしで、救済の展望をホラーキー的に与えています。
それは近代的な科学と合理主義を「含んで超える」立場からで、個々の宗教教義には縛られません。
このホラーキー社会論は、主として右下象限に焦点をあわせているため、このような魂の問題にはふれていません。
しかし、これまでの科学的で合理的な思想にもとづく社会運動が宗教に否定的であったことを考えれば、この理論が宗教の根幹にあるスピリチュアリティを重視しているため、宗教的なものをもとめている人々で合理的な思考をする人々を引き付ける可能性があります。
ホラーキストの組織は、権力の掌握を直接的にめざす組織ではなく、市民社会で社会的合意と世論を生み出しつづけることで、継続的に政治家や政党に圧力をかけ、それによって政治・社会・経済の変革をめざします。
そのため道徳的圧力をかけうる大きな組織をつくることが必要です。 
政党、宗派、これまでの思想・信条にかかわりなく、この組織への結集を訴えます。
そして新しい人類社会形成に向けた大きな流れをつくりましょう。
 万国のモラリストよ、団結せよ。

(補足)

なお、この思想は、次の人々のものと兄弟の思想です。
①スタンフォード大学経営学博士デビット・コーテンは『グローバル経済という怪物』『ポスト大企業の世界』シュプリンガー東京、から彼の資本主義を乗り越える思想を語っています。
②「グローバル市民社会の宣言」は、ディッド・コーテン(アメリカ)、ニカノル・ペルラス (フィリピン), ヴァンダナ・シヴァ(インド)の三人で共同執筆されました。
③亡命ロシア人のヤロスラフ・ヴァネクも、民主主義経済と協同組合経営を主張しています。
ソ連生まれで亡命してチェコにいましたが、後、アメリカに渡り、コーネル大学の経済学の教授となっています。
④ P.R.サーカーのプラウト(進歩的活用理論)が、このホラーキー社会論のインスピレーションの基礎にあります。
その思想を紹介した松尾光喜『サーカーの思想1 進歩的活用理論』がナチュラルスピリット出版されさています。
サーカーの弟子のダダ・マヘシュヴァラナンダが、プラウトについて、チョムスキーの推薦文を受けた英文の本『After Capitalism』を出しています。
日本語に訳され『資本主義を超えて』世界思想社として出版されています。

これらの理論をアメリカのケン・ウィルバーのホロンとホラーキー階層の理論で統合する試みの一つが、この「ホラーキー革命」論です。
ケン・ウィルバーは、直接こうしたグローバル資本主義経済を乗り越える思想はまだ語っていません。
しかし、彼の提起する巨大な思想は、プラウトをはじめとするこれらの思想を統合し、新たなヴィジョンを提出する可能性をもっています。

H.P. of socialist earth government (社会主義地球政府のH.P.)

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