MANDALA 曼荼羅  悟りの宇宙 DVD
(video inspired by god of star)



(philosophical base of prout resembles to philosophical base of social theory of Devid Koten and horon theory of Ken Wilber)

Theme of this page is philosophical base of prout.
Mitsuki argues that philosophical base of prout resembles to philosophical base of social theory of Devid Koten and horon theory of Ken Wilber.
Point out of Mitsuki is appropriate.


このペ-ジのテ-マはプラウトの哲学的基礎です。
ミツキは、プラウトの哲学はデヴッド・コ-テンの社会理論の哲学的基礎とケン・ウィルバ-のホロン理論と似ていることを論じます。
ミツキの指摘は適切です。


資本主義に代わる社会構想の基礎にあるホロン、マンダラ、プラマー

▼資本主義システムに代わる社会のイメージの根底にあるもの

 アメリカのデビッド・コーテンは「貨幣中心」の資本主義に代わる対案として、サーカーと類似する、地域住民が決定権を持つ経済の分権、労働者決定権重視の協同組合型企業の社会のあり方をめざしています。
このような今日のグローバル経済に代わる世界経済システムの対案イメージの根底にあるものは何でしょうか。
現段階での私の把握では、全宇宙を「ホロン」の階層からなる「ホラーキー」として見る世界観から来ていると考えます。

 「生命系の中で部分と全体との健全な関係を構築するには、全体と部分の相互性も重要な鍵になる。
全体が部分に影響を及ぼすように、部分も全体に影響を及ぼす。
ホラーキーの内部のホロンがガン細胞のように、自らが全体であるかのような振る舞いを見せた時は、何かが狂った証拠である。
したがって、全体の本来の機能を回復させるには、そのホロンは徹底的に潰さねばならない」(デビッド・コーテン著『ポスト大企業の世界』172ページ)

 では、この「ホロン」と「ホラーキー」とは何でしょうか。

◎ホロンとホラーキーとは

 「ホロン」は、物理学者アーサー・ケストラーの造語で、全体と部分についての新しい視点を生み出す元となったもののです。デビッド・コーテンは次のように説明しています。

 「ホロンは、それ自体全体であると同時に、より大きな全体の部分をなしているものをあらわす。
原子はそれ自体全体である。その原子が分子の部分になった時、それはホロンとなる。
細胞の一部である分子はホロンであり、器官の一部である細胞もホロンである。
このような原子から生物までの階層的関係は、ホラーキーと呼ばれている。
ホロンとホラーキーという概念は、生命系の健全な機能を理解するのに不可欠である。
そして生命系が健全に機能するためには、生命系に存在するホロンそれぞれが、独自性や他者との境界を維持すると当時に、より大きな全体の部分としての機能することが必要となる」(『ポスト大企業の世界』171ページ)

 詳しく、より深くホロンとホラーキーについて論じているのはケン・ウィルバーです。
ホロンはそれ自体独立したものですが、より上位の存在の構成部分ですから、全体性と部分性の2つの特質(独立性と交流能力)を持っており、その特質を失うとより下位のホロンへの分解を遂げるとウィルバーは考えます。

 「一方で、ホロンは、それ自体の全体性、アイデンティティ、自律性、エージェンシー(独立性)を維持しなければなりません。
もし、自己のエージェンシー、またはアイデンティティを維持しそこなうとまったく存在しなくなります。(中略)
これは原子、細胞、生物体、観念についていえることです」(ケン・ウィルバー著『万物の歴史』春秋社、37ページ)

 「ホロンは自己の独立性(エージェンシー)を保たなければならない1個の全体であるだけでなく他のシステム、他の全体性の一部分でもあるのです。
ですから、1個の全体として自己の自律性を維持しなければならないことに加え、同時に他のものの一部分として適応しなくてはなりません。
それ自体の存在が環境への適応能力にかかわっていて、それは原子から分子、動物から人間までいえることです」(『万物の歴史』37ページ)

 ホロンが独立性と交流能力(自立と連帯の能力)を失うと、細胞は分子に分解し、分子は原子へと下位レベルへと分解します。

 デビッド・コーテンの問題意識は、経済的文化的に自立し、かつ他と交流能力を持ったコミュニティを1つのホロンとイメージし、その無数のホロンによってより上位の人類社会を展望したものだと推測します。
あるいは、企業の人間1人ひとりをホロンとすると、1人ひとりの独立性と交流能力に基づいてより上位のホロンである企業体システムを構成するほうが万物の理にかなっていると考え、資本主義システムよりも協同組合的企業を支持するのだと推測します。

 私の考えでは、1人ひとりの人間をホロンとすると、人は消費生活の場では家族に属し、生産生活の場では会社、工場、商店、学校、農園などの上位の単位を構成するホロンに属します。
さらに上位のホロンが地域社会です。
現代の地域は、多国籍企業やその機関によって自立性を失っています。
これを、生活必需品を自給できる地域経済単位をホロンとして確立しようということだと考えます。

 「ホラーキー」は、ホロンを単位とする上位・下位すなわち全体・部分の連鎖構造という天地万物の存在の仕方を意味しています。

 「ホラーキーとは、ヒエラルヒー(階層構造)を指すケストラーの用語です。
ヒエラルヒーは今日、非常に評判が悪いのですが、それは支配者的ヒエラルヒーと自然的ヒエラルヒーを混同しているからなのです。
自然的ヒエラルヒーは、単に全体性の増えていく順序です。
たとえば、素粒子から原子、細胞、生物体へ、または文字から言葉、言葉、文章、段落へ。
あるレベルの全体は次のレベルの部分にあるのです。

 言い換えれば、通常のヒエラルヒーはホロンから成るのです。
そこでケストラーは、『ヒエラルヒー』は実は『ホラーキー』と呼ばれるべきだといったのです。

 支配的ヒエラルヒーとは(中略)自然的ホラーキー内のどれかのホロンがその位置を不法行使して全体を支配しようとすると、病理的または支配者的ヒエラルヒーができるのです。
ガン細胞が肉体を支配する、あるいはファシストの独裁者が社会体制を支配する、あるいは抑圧的自我が有機体を支配する、などなど。

 が、これら病理的ホラーキーへの療法は、ホラーキーそれ自体を取り除くことではなく、むしろ傲慢なホロンを捕まえて自然的ホラーキーへと再び溶け込ませるか、またはそれを、いわば適所に収めることにあるのです。
無数にいるヒエラルヒーの批判者たちは愚かにもこうした病理的ホラーキーをホラーキー一般と混同し、そのために風呂の湯と一緒に赤ん坊を捨ててしまうのです」(『万物の歴史』47ページ)

 万物の存在は、支配と服従のヒエラルヒー構造でできているのではありません。
それ自体で完結している個が自己決定して協調して動きながら、より上位レベルで完結する個を構成する一部分になるのです。
自然的ヒエラルヒーには、病的な状態以外に支配服従関係はありません。

 それどころか、下位レベルの存在を困難にするならば、上位レベルの存在自体が否定される関係にあります。
物質界、自然界、生物界、人間界のレベルを考えるならば、人間界を抹殺しても、下位の3つの世界は存在します。
逆に自然界や生物界を抹殺したならば、人間界は存在しえません。
文字、単語、文章、段落でいうと、たとえば文字や単語という下位レベルのホロンがなければ文章は成り立ちません。
すなわち上位レベルの存在は、偉いと驕り高ぶるのではなく下位レベルの存在を尊重しなくては自らの存在が危うくなる関係にあるのです。
したがって支配服従のヒエラルヒー秩序と誤解されるのを避けるために、ケン・ウィルバーはホラーキーの用語を使って天地万物の構造を論じます。

◎ホロンとマンダラ

 ケン・ウィルバーは科学的認識方法として、観察実験や合理的推論の方法(独白型)と、対話による人間内面へのアプローチ(対話型)の方法に加えて、3つめに黙想による直観的アプローチを挙げ、近代によって抹殺された黙想科学の復権を主張します。
そして東西の人類の師となった古代の賢者たちが黙想に基づく内面領域の深みからとらえたこのコスモス(大宇宙)について言説がホロン構造となっていることを検出します(ケン・ウィルバー著『科学と宗教の統合』春秋社、83ページ)。

 古今東西のマンダラを論じたIkko Kurosawa氏のマンダラについての見方は、ホロン、ホラーキー構造そのものです。

 「マンダラの内部は無限のクローン構造であり、そのクローン的構造体は1つの円のなかを覗いてみると5つ(1と4)に分割された構造が見え、また、その5つに分割された1つの円の中をとってみると再び、その構造が表れる。
その分割された円の1つをとってみるとまた、同様の構造が表れる。
と、いったふうに、入れ子細工のように次々とその構造(五智如来の円)が表れ、それは無限に続くというのである。
こうしたホログラムの土台というべき構造こそ、マンダラの中心である、成身会(根本界)である。
最初の円還から、極小の円還まで、それはたった1つの円還の構造に一致している」(Ikko Kurosawa, 1990)

 人間のことを小宇宙(ミクロコスモス)といいます。
脳は神経ネットワークやホルモンの分泌で成り立っています。
物質としての脳を研究する大脳生理学によると、怒った時やうれしい時、ノルアドレナリンやセロトニンなどの分子構造の分泌が確認されました。
このようにして解明されたものは、あくまで物質構造としての脳あり、小宇宙がわかったことにはなりません。
脳の中で、心は知的活動や喜びや悲しみの情動的活動に従事しています。
小宇宙を1枚の紙に例えると、紙の表を詳しく解明するのが大脳生理学であり、紙の裏側である心も含めて1枚の紙とみるのが小宇宙です。

 大宇宙(マクロコスモス)も天文学、物理学などを通じて詳しく解明されてきました。
その結果、大宇宙がクォーク、原子のレベルから始まって無限のホロン構造を持つことが解明されてきました。
それは大宇宙の紙の表であり、一面です。ケン・ウィルバーは、実は古代の賢者たちは大宇宙という紙の裏側を黙想科学の実践の中でつかんだのだといいます。
紙の表がホラーキー構造をしていることが現代の最先端の諸科学で解明されたとすれば、紙の裏側の対応するホラーキー構造は、すでに東洋古代の賢者たちによる黙想科学の中でつかまれていたということになります。


*注=東洋と西洋の統合
 ただし、東洋古代が近代科学よりも優れていたということではありません。
サーカーは、東洋は内向きに偏り、外向きの物質科学を発達させなかった。
西洋は、物質科学に偏り、精神科学を発達させなかった。
両者の優れた点を吸収し、西洋と東洋を統合せよといいます。
すでに医学においては、総合医学学会などで西洋医学と東洋医学の統合が図られています。
思想家のレベルでは、東西の統合を図った西洋人はケン・ウィルバーが最初ではないかと思います。
西洋思想に精通し、かつ東洋思想の根幹にある瞑想を実践し、コスモスという紙の裏側(精神科学)まで精通し、文字どおり西洋、東洋を含めて人類史的に思想遺産を未来に向けて継承しようとしています。


◎サーカーのプラマー論

 サーカーのプラウト理論においても、デビッド・コーテンやケン・ウィルバーのホロン論に当たるものがあります。

 サーカーによれば、小は原子から大は銀河まで、この世のあらゆる実体が、中心核のまわりをまわっています。
ちょうど車輪のスポークがひとつの軸からでているように、あらゆる実体は、ひとつの中心核のまわりをまわっています。
原子も分子も細胞も人間も星も、すべての実体は同じひとつの中心核につながります。
全宇宙もそのひとつの中心核から展開しています。
サーカーは、ホラーキー構造として特に説明していませんが、原子、分子、細胞、人間、地球、太陽系は、すべて下位の存在を含んで超えた存在であり、マンダラ構造であり、ホラーキー構造です。

 このサーカーの論は、ホロンに当たるものをより動的(ダイナミクス)なものとしてとらえるところに特徴があります。
コーテンやウィルバーよりも、あらゆる実体を、流転し、変化し続け、1カ所にとどまらないものとして描きます。
大は銀河から小は原子まで、回転し、衝突と結合を繰り返しながら、正・反・合の弁証法的な過程を永遠に繰り返しながら進みます。
神(GOD)とはGeneration-Operation-Destoyであり、すなわち生成・発展・消滅を繰り返し、展開し続けていく原理です。

 そしてプラマー論は、同じことを別の角度から論じます。
プラマーとはバランス、すなわち均衡、平衡という意味です。
何のバランスでしょうか。
サーカーによれば、この天地万物は、プルシャ(純粋意識)に形質を付与するプラクリティというエネルギーが加わることで展開しています。
この形質を付与するプラクリティは三つのタイプの力として働きます。すなわちサットヴァ・グナ(明晰・平穏な属性を与える)、ラジョ・グナ(変化・興奮の属性を与える)、タモ・グナ(鈍・停滞の属性を与える)の三つです。
プラクリティの力が働く時、その三つの属性のすべてが含まれていますが、いずれかが優勢な形で影響していきます。

 創造の始源から今日まで、この3つの方向に力が働き、プラクリティの三方向の力が安定する時、プラマー(均衡と平衡)が成立します。
そして三方向のいずれかの力がまさる時、プラマーは崩れます。
そして、プラマーを取り戻すエネルギーが働き、高次の三方向の力のバランスが回復し、プラマー(均衡と平衡)が生じます。

  このようにこの世のすべての実体は、プルシャ(純粋意識)にプラクリティの三つの属性が影響してできあがった産物です。
属性を持たないプルシャが、あらゆる実体の中心核にあたります。
中心核にプラクリティの三種類のグナの三方向の力が作用することによって、まわりながらこの世界が現出しているのです。

ホラーキー構造の観点からサーカーのプラマー論を見てみましょう。
サーカーのホラーキーは単純なホロン構造ではありません。
ホラーキー階層構造の1階層レベルをさらに亜階層に分けます。
すなわち、家というホロンを玄関、台所、居間、寝室、トイレ、庭というふうに亜階層に分けるのです。そして亜階層に分けたそれぞれの部分の中に小三角形としての安定したプラマーを確立せよというのです。
つまり、確立した複数の小三角形のプラマーの上に、家全体のプラマーが安定的に確立するのです。

 そしてプラマーの回復のために何がなされるべきかについて次のように述べています。
「第一に私たちはそれぞれの領域をさまざまな亜領域に分割しなくてはなりません。
たとえば、私たちは物的・身体的領域を次の亜領域に分割します。
農業、鉱業、交易と商業、医療、灌漑、物的・身体的教育などです。
教育に関しては、それが物質世界に直接かかわっているので、物的領域の内部に科学の項目が入るべきです。(中略)
それぞれの亜領域に対して亜三角形を作ることによって、よりしっかりしたバランスを作ることができます」(Prama)

 知的・心理的領域、精神性の領域についてもサーカーは詳しく論じていますが、省略します。
ここでは、それぞれの領域が亜領域を持ったホラーキー構造=マンダラ構造になっていることを確認してください。

 私たちの文明はプラマーを確立しているでしょうか。
物的・身体的領域では、たとえば、不況、失業、産業構造のアンバランスが拡大しています。
知的・心理的領域でも、たとえば、これでもかこれでもかと売らんがためのコマーシャルが変化・興奮のグナに偏ったエネルギーを与えています。
またスピリチュアリティの領域においても退廃的な文化は人々の精神性を悪化させ、児童の凶悪犯罪まで招いています。
5年続けて毎年自殺者が3万人を超えているのは異常事態で、プラマーの欠落を意味しています。

 サーカーは、物的身体的領域、知的心理的領域、精神性の領域の三つでプラマーが確立する必要を述べます。
それぞれの領域で独自にプラマーの確立の努力が必要ですが、下位の領域におけるプラマーの確立なしに、上位の領域でのプラマーの確立は不可能です。
身体が腹痛に苦しむ時、知的、精神的バランスどころではありません。
飢餓や過重労働に苦しむ時、知的、精神的発達は不可能です。
したがって、社会の領域で考えるとまず経済的領域でのプラマー確立が必要となります。

 そしてホラーキー構造のすべてのレベルにおいて、平衡と均衡のとれた三角形(ホロンの中の3方向の力のバランス)の確立が必要です。
プラマーの確立の努力は、無数のホロンが協働してバランスを崩している肥大化したホロンとの闘争を伴います。

▼おわりに

 最後に、もう一度わかりやすく説明しましょう。
プラマーとは、バランスのとれた三角形(ホロン)としましょう。
小さな数多くの下位三角形があり、それが全体として大きな力の三角形を構成しているバランスのとれた状態が望ましいのです。

 これがサーカーのグローバルな地域分権経済論に反映していると考えます。
各地域に農業や工業などのバランスが保たれていること、すなわち全世界に小さなバランスのとれた地域経済圏(ホロン)があり、それらがより大きな国や、国が集合した自由経済圏につながり、最終的に全世界の自由経済圏となる。
しかしあくまでも各地域の経済圏に無数の小さな三角形が存在していることが前提です。
それぞれのホロンは自主的な決定権を持ち、自由に生産を発達させつつ、他地域とも交流していきます。
下位三角形のバランスがとれていることが、全体として大きくバランスを崩すことがないことへの保障となります。
サーカーは宇宙の根本原理に基づいた経済構造を発想していると考えます。
物理学、生物学が進展する中で生命や細胞のあり方から学び、ホロンのあり方を基準にして「生命中心の社会」を構想しているのがデビッド・コーテンです。

 現在の多国籍企業がバックにあって推し進めているアメリカを中心とする「自由化」「経済グローバリゼーション」は、サーカーが指し示す方向とは逆の方向に進んでいます。
たとえば、タイに進出した日本企業が現地でブラウン管を製造しているニュース映像を見たことがあります。
安い賃金でより安い製品を作り、国際競争に打ち勝つためです。
もちろん私が会社の担当者なら、そうしなければ勝ち残れないのですから推進せざるをえません。
しかし、それによって形成されている経済構造は無数の小さなバランスのとれた下位三角形ではなく、不安定な大きな三角形です。
小さな下位三角形は形成されません。
ブラウン管だけですから日本企業の都合でいつでも撤退できますし、外国に安い賃金の労働者を求めることは日本の雇用状況や賃金状況を悪化させ、一般庶民の購買力を減少させます。
ますます日本のプラマーが崩れていきます。

 自分の地域のあらゆるレベルで小さな下位三角形のバランスを作り出すと同時に、コーテン教授たちのグローバル市民社会運動、あるいは世界社会フォーラム(WSF)などに連帯し、大きな三角形のプラマーを実現するための闘いが必要となっています。




H.P. of socialist earth government (社会主義地球政府のH.P.)

appeal of gods of star

all H.P. of project of Heaven and gods

このページの先頭へ