story of Grandmother
There is no difference of communication of same generation

金子みすゞSMC No.37 ばあやのお話 (video inspired by god of star)



金子みすゞの詩です。

ばあやのお話

ばあやはあれきり 話さない、
あのおはなしは 好きだのに

「もうきいたよ」といったとき、
ずいぶんさびしい顔してた。

ばあやの眼には、草山の、
野ばらのはながうつってた。

あのおはなしがなつかしい
もしも話してくれるなら、
五度も、十度も、おとなしく、
だまって聞いていようもの。


コメント

みなさんは、年配の人から、同じ話を聞いたことがないですか。
年配の人は、以前に話したことを忘れて、はじめて話すとおもって
いきいきと話します。

なんども聞いた話は、どんなにいい話でもうっとうおしくなります。
そこでみすゞさんは「その話、もう何回も、聞いたよ」と言ってさえぎったんですね。
おばあさんは、がっくりきて、さみしそうだったんですね。
もう、その話をしてくれなくなったんですね。
みすゞさんは、そのおばあさんの話がすきだったんですね。
五回でも十回でも、同じ話を、はじめて聞いた話のように
聞いてあげたいとおもっているんですね。

たぶん、そのおばあさんは、もう亡くなって
二度とその話を聞いてあげることができないのかもしれませんね。

人を大切にするとは、「心」を大切にすることです。
もちろん、身体を大切して、おばあさんの身体の世話をしてあげることも必要です。
でも、老人はもう用がないみたいに、自分たち家族の会話からはみごにしている人がいます。
老人であっても、若かった時と同じ心がそこにはあります。
私の母はもう90才をこえて、うどけていますが、田舎に帰った時、昔の話を聞きます。
うれしそうです。
おばあさんやおじいさんが身近にいたら、
自分たちの同じ年頃の昔のことをきいてあげましょう。

サーカーの言葉です。
「人間社会には無意味な人はいないこと、無視してよい人はいないことを覚えておくべきです。
100 才の老婆の命も価値あるものです。
彼女は全社会の重要な構成員です。
彼女は排除されるべきではありません。
私たちは彼女の重要性を正しく評価することができないかもしれません。
彼女は社会のお荷物だと間違った考えを持つかもしれません。
しかし、この種の間違った考えは、私たちの無知を示しています」(Ism and Neo-Humanism)


私は、田舎の父親が十数年前に脳梗塞でなくななりましたが、
一年間植物人間のように寝ていました。
意識がないから、いつ死ぬかとみんなベッドの横で話していましたが、私は、意識はあるとおもっていました。
意識があった時の父の先祖のはなしのメモを読んであげると、涙がでていました。

また信じていた浄土真宗のお経の一節の死んだら極楽浄土に生まれるということころを読んであげたら、涙がでて、よろこんでいてくれたようにおもいます。
だから、私は最後の意識をひきとって、火に燃えるところまで大切にしてあげるのがいいとおもいました。


This poem is communication with old person.
There is no difference of communication of same generation.
Relation of human beings is relation of non-presence which has no time-space.
To make up good relation with human is aim of human life.

(Cocoon and grave  She knew that she had mission of Heaven)

金子みすゞの詩による「三つの歌」 III.まゆとはか(video inspired by god of star)



まゆと はか

かいこは まゆに
はいります、
きゅうくつそうな
あの まゆに、

けれど かいこは 
うれしかろ、
ちょうちょに なって
とべるのよ

ひとは おはかへ
はいります、
くらい さみしい
あの はかへ

そして いいこは
はねが はえ、
てんしに なって
とべるのよ。


高校生向け解説
みなさんは「かいこ」の白い「まゆ」を見たことがないと思います。
「まゆ」とは、虫がちょうちょとして羽ばたく前の「さなぎ」の状態の外側の殻のことをさします。それは絹糸になります。
この詩は、人間のお墓の棺桶を「まゆ」にたとえているのです。
いったん、虫の形は死にます。
まったく形のちがった蝶になります。
人間の身体もいったん死んで「かんおけ」にはいります。
そして、また生まれ変わるんだよ。
そう、金子みすゞは言っているのです。

私は、そのような何度も生まれ変わる(輪廻=りんね)なんて非科学的なことだと思っていました。
ある時、目を閉じて黙想しながら昔のことを思い出して出してみました。
すると赤ん坊としてこの世に生まれて最初に私の心が思ったことが突然浮かび上がってきました。
その時の意識を文章にしたのが次です。

『あれっ、身体が自由に動かない』
いつものように手足が動かないという感じがした。
束縛(そくばく)されたような不自由な感じだった。
『あっ、そうか、おれ、生まれたばかりの赤ん坊なんだ。少し、待てば、動けるようになるはずだ』
それだけ思って、私の心は消えた。

・ 手足が不自由に感じたのは、母親の胎内で自由に動けた日のことを覚えていたのだろうか。
でも、『赤ん坊だから、まだ動けない。待とう』と思ったのも事実である。
どうしてそんなことを思ったのだろうか。
生まれる前に別の人間だった時の記憶が残っていたのだろうか。


一般向けコメント
サーカーは、人は死んで天国にゆくのでも地獄にゆくのでもない。
その人の心のありようにふさわしいものに生まれ変わるといいます。
生まれ変わった先で天国と地獄を経験するのです。
お金もうけだけ考えてたくさんお金をもちたいと思っていたら、金庫に生まれ変わる。
宗教を信じて、銅でつくった神様の像ばかり念じていたら、銅像に生まれ変わってしまう。
この理屈でいくとたぶん人をいじめるようなことばかり考えていると野獣に生まれるんだと思う。
サーカーは、あなたは、すべての人、すべてのものをブラフマ(神)の現れと見なさい。
そうすると、あなたの心は無限に広がり、より進んだ人間に生まれ変わるといいます。
要するに心は考えたり、念じたりするものに近づくと言うのです。


This poem is that soul of human become eternal life.
She had mission of project of Heaven and gods.
She knew that she had mission of Heaven.

( Stones  She knew that everything in this universe include mind of gods of star)

金子みすゞの詩 石ころ マツオカ利休作曲 清水智子141102 (video inspired by god of star)



金子みすゞの詩です。

石ころ

きのうは、子供を
ころばせて
きょうもお馬を
つまずかす、
あしたは誰がとおるやら

田舎(いなか)のみちの
石ころは、
赤い夕日に、
けろりかん


コメント
この金子みすゞという詩人は、普通の人とちょっと違うセンスがあります。
普通の人の目には、「ころんだ子ども」「つまづいた馬」の方に目がゆきます。
しかし、金子みすゞは、普通の人が目にとめない「石ころ」に目がゆきます。

テレビや新聞でとりあげられる大きなできごとや有名人にどうしても目がゆきます。
私たちは、金子みすゞにみならって、「石ころ」に目をむけましょう。
大きなものの下にあって支えている小さなものたちの存在に目を向けましょう。


This poem is about small stone.
Line-of-sight of this poet is toward things which ordinary people do not see.
She knew that everything in this universe include mind of gods of star.

(Oujiyama   For everybody living town is place living with gods)

金子みすゞSMC No.43 王子山 (video inspired by god of star)



金子みすゞの詩「王子山」の一部分です

「公園になるので植えられた
桜はみんな枯れたけど

伐(き)られた雑木(ぞうき)の切り株にゃ
みんな芽(め)が出た、芽が伸びた」


コメント
公園に植えた桜が枯れたのは、
目に見えない土の下に問題があります。

根が十分に大地に根ざしていなかったか
土に適切な栄養や水分がなかったのかもしれません。

雑木の切り株とは、地面に出た木の上の部分を切り取ったものです。
ですから、根の部分はしっかりしているのです。
土に隠れて、目に見えない部分がしっかりしていると
どんなに切っても、芽を出し、
命と息吹を吹き込まれ、太陽に向かって伸びてゆくのです。

私たちは、形に現れた部分だけをなんとかしようとするけど
形にあらわれない、人の目につかない根の部分こそ
もっとも重要なものだということを
この詩は教えてくれます。


(携帯メ-ルで生徒たちにおくったのはこれだけですが、
今、「王子山」の詩を紹介した映像が見つかり
金子みすゞが生活していた町の写真が背景に載っていました。
詩の全文を紹介します)

王子山

公園になるので植えられた、
桜はみんな枯れたけど、

伐られた雑木の切り株にゃ、
みんな芽が出た、芽が伸びた。

木の間に光る銀の海、
わたしの町はそのなかに、
龍宮みたいに浮んでいる。

銀の瓦と石垣で
夢のようにも、霞んでる。

王子山から町見れば、
わたしは町が好きになる。


This poem is that sight from park near poet is beautiful.
She loved living town.
For everybody living town is place living with gods.

(Sail    everything is seen beautiful from distance because everything is made from mind of gods of star)

金子みすゞの世界を歌う・恵ゆたか・『灯り』/北浦おもしろ探求会 (video inspired by god of star)



金子みすゞの詩をおくります。



港についた舟の帆は
みんな古びて黒いのに
はるかの沖をゆく舟は
光かがやく白い帆ばかり

はるかの沖の あの舟は
いつも、港につかないで、
海とお空のさかいめばかり、
はるかに遠く行くんだよ

かがやきながら、行くんだよ


コメント
この詩は、声にだして、頭の中にイメージをつくってください。
それだけで味わうべき詩だとおもいます。

解説すると詩の味がおちるとおもいますが、ひとことコメントします。

近くで見る帆は、黒く汚れています。
遠くにある帆は、光の中で輝きます。
本当には、すべてのものが光の中で輝いているのです。
近くでみると黒い汚れが見えるのです。

いつもいっしょにいる家族は、どうしても黒く汚れた面が見えてしまいます。
しかし、遠く離れた家族は、そしてもうあうことのない家族は、美しく輝いて思い出されます。

本当は誰も輝いているのです。
近くにいるとその輝きが見えないのです。


This poem is that although seeing near is not so beautiful, everything is seen beautiful from distance because everything is made from mind of gods of star.

(Small stones of seaside   This mind is same to gods of star)

金子みすゞ (video inspired by god of star)



浜の石

浜辺の石は 玉のよう
みんな まるくて すべっこい

浜辺の石は 飛び魚か
投げれば さっと 波を切る

浜辺の石は 唄うたい
波と いちにち 唄ってる

ひとつひとつの 浜の石
みんな かわいい 石だけど

浜辺の石は えらい石
みんなして 海をかかえてる


コメント
浜辺のひとつひとつの石ころを、心をこめて見たことがありますか。
たぶん、みんな、石ころなんか、目にとめないでしょう。

でも、浜辺にいった時、
「あれっ、このまるい石、かわいい」と思ったり
水面にすれすれになげて、石にホップ、ステップ、ジャンプさせたり
誰もがそんな体験があるでしょう。
普通の人が、石ころによせる思いはそこまでです。

この詩は、最後の2行が卓越していると思います。

「浜辺の石ころもえらいんですよ、みんなして海をかかえているから」
この世のひとつひとつの存在すべてに敬意をはらっている金子みすゞの心は、素晴らしいと思います。


大人向けコメント
いつものように、サーカーやウィルバーと結びつけて解説するのが難しい詩です。
あえて、コメントすると

私たちは、いつのまにか、ある枠組みの中でのみものを見て、その枠から出なくなります。
サーカーはそれをドグマと言います。
ものを見る時に、ある枠組みをつかって見ることは必要なことで、それによってより正確に見ることができます。
だから、枠組み自体が悪いわけではありません。
しかし、いつの間にかその枠組みが、ものを見るための道具である範囲を超えて、自分の見方が広がることを妨げます。
サーカーはその枠組みから脱出することを「知性の解放」と言います。

金子みすゞのこの詩は、海の小石の意味づけを、通常の枠組みから脱出させ、心を拡張することに貢献しているのではないでしょうか。


This poem is about ordinary small stone in seaside.
She respected everything in this universe.
This mind is same to gods of star.
H.P. of socialist earth government (社会主義地球政府のH.P.)

appeal of gods of star

all H.P. of project of Heaven and gods

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